グローブをしたままでも操作しやすいフードコジー。

■開発ノート
PCTを歩く中で自作したフードコジー（保温カバー）を使用し、保温調理で燃料消費を大幅に削減しました。
沸かしたお湯でフリーズドライフードやラーメンを調理し、他のハイカーが頻繁にガス缶を補充する中、私は1ヶ月に1回の購入で済みました。
超臨界発泡断熱材を使い、保温性能と軽量性を両立。
アメリカの大きなドライフードパッケージや250サイズのクッカーに対応するよう設計にしました。
バックル式フラップはハンドルホルダーとしても活用可能で、しっかりと締めることもできます。
クッキングシステム全体を収納できるため、私はスタッフバッグを廃止してこのフードコジーに全てのクッキングシステムを収納して持ち運んでいます。

■保温の設計
発熱体はすべて赤外線を放出しますが、熱保持には断熱層が重要です。
一般的なアルミ箔エアクッション製フードコジーは、アルミ層が多いため、蓄熱の初期段階で熱がアルミに吸収されやすく、特に気温が低い場合には、コジーに入れた瞬間に急速に熱が逃げてしまうことがありました。
またエアクッションの大きな空気層が内部で対流を引き起こし、その結果外気との熱交換が促進されてしまいます。
そこで、軽量かつ耐久性のある独立発泡スポンジを採用。
空気の対流を防ぐため、超臨界製法で微細な気泡構造を形成し、安定性と断熱性を向上させました。
また、赤外線反射性を備えたアルミ蒸着ポリエチレンフィルムを内側に使用し、折り曲げに強く耐久性を確保。
断熱性能を追求した設計です。

■ボディ
MIYAGENの商品としては珍しく、フラットでシンプルなパターンデザインです。
コールドスポットを減らすため、縫製箇所を最小限に抑えたデザインにしています。
そのため、自立性はやや低い仕様になっていますが、機能性を優先したデザインです。
国内で一般的に販売されているフードパッケージも、少し余裕を持って収納できます。
また、缶ビール350mlを2本収納することが可能です。
事前にビールを冷やし、保冷剤を一緒に入れておけば、一晩程度冷たさを保つことができます。
高い保温性能を活かし、保冷バッグとしても使用可能です。
さらに、サイドにはストラップループを備えており、冷えた飲み物を簡単に持ち運ぶことができます。
フェスなどの屋外イベントでも活躍します。

■フラップ
フラップ部分を裏返してハンドルとして利用することができます。
また、フラップにも断熱材を入れているため、冬場でも手も暖かいです。
グローブをしたままでも操作しやすいよう、ベルトの長さを調整可能な設計にしています。
さらに、ベルトを調整することでクッカーを収納して持ち運ぶことも可能です。